賞与・退職金

 労働分野においては、賞与や退職金も問題となることがあります。

賞与

 賞与は、定期または臨時に、原則として労働者の勤務成績に応じて支給され、その支給額があらかじめ定められていないものです。
 ボーナスとも呼ばれ、賞与が支給される場合、一般的には夏と冬に支給されることが多いでしょう。

 賞与に関しては、労働基準法上は賃金とされてはいますが、使用者が必ず払う義務があるものとは規定されておらず、支払の有無や金額等は、原則として使用者の裁量となります。
 したがって、最低賃金法の適用もありません。

 ただし、労働契約書や就業規則等に、支給をすることや支給基準等が明記されている場合には、労働者は権利として請求をすることができます。
 また、仮にこうした規定のない場合でも、それまでに一定の基準の賞与が払われてきた客観的な事実があれば、賞与を払う慣行が成立しているとして支払義務が認められる余地はあり、使用者にとっては注意の必要な点です。

 賞与の請求権が認められる場合、消滅時効期間は令和2年4月1日以降、当分の間は3年(いずれは5年)です。

退職金

 退職金(退職手当)は、労働者が退職するときに受け取る金銭です。
 退職金も賞与と同様、法律上は使用者が必ず払うべきものとはされていません。

 ただし、賞与と同様、労働契約書や就業規則、退職金規程等によって、支給をすることや支給基準等が定められている場合には、労働者は権利として請求をすることができます。
 また、仮にこうした規定のない場合でも、それまでに一定の基準の退職金が払われてきた客観的な事実があれば、退職金を払う慣行が成立しているとして支払義務が認められる余地はあります。

 なお、労働者の死亡または退職により、退職金の請求があった場合は、使用者は7日以内に支払わなければなりませんが、就業規則等で退職金の支給日を定めていれば、その期間内に支給すれば足ります。
 労働者が死亡した場合の退職金は、就業規則等で受取人の順位を定めていれば、その規定に従い、規定のない場合は法定相続人が受領権者となります。

 退職金の請求権が認められる場合、消滅時効期間は5年です。

 賞与・退職金の問題についても、お気軽にご相談ください。